ある日、ある人が言っていました。
「私には、居場所がないのよね…」
幼い頃から両親は、子供の前で言い争うような喧嘩ばかりで、姉妹からは価値観の違いに、違和感を感じる毎日だったと。
周囲の友達とはうまく馴染めず、理解し合えないから、気付けば選ぶ道は私自身が一人になると…。
大病を患わった時も、誰も理解など示さなくて、友達とは疎遠になり、ドラマのような家族の絆、温かさを感じず、むしろ冷たさを感じてしまい、その日以降からずっと、“家族とは、そこにいるだけの人達”にしか感じなくなりました。
何一つ変わらない、家族であっても他人事。誰も変わらないし、理屈すら跳ね返される。
満たされない孤独な毎日の中で、その血筋すら嫌うようになっていました。
「何故、恋人を作らないのですか?」
ものすごく不思議な疑問です。
「いずれ結婚することになるのなら、私自身は相手と2人だけの問題だけではなく、家族間との繋がりでもあるから、正直私自身の家族には、劣等感を感じてしまうの。私自身が…」
不釣り合い、恥ずかしいことだと。いつしかご本人は、生きてきた中で感じるようになっていました。
未だに実家暮らし。姉妹も誰も結婚しておらず、仕事から帰宅すれば、誰かが言い争う環境に居続ける毎日。
大病も患わってでも、ある人が“守りたいもの”は何でしょうか?
そんな重みがある話に、私自身は何ができるのでしょうか?